富裕層と世界の社交界
モナコ
世界で最も有名な社交界といえばモナコ公国でしょう。「タックス・ヘイブン」とも呼ばれる税制を目当てに、世界中から富裕層が集まるため、社交の場も華やかです。
モナコ社交界にはシーズンがあり、年間通してイベント開催の時期がおおよそ決まっています。春には「薔薇の舞踏会」と呼ばれるモナコ公室主宰の舞踏会、夏はF1のモナコグランプリやクラシックカーコンクール・ヴィラデステ、秋はファッションショーなどと大きなイベントが控えています。冬はウィンターバケーションを通じて親交を深めるのが一般的です。
フランス
貴族が国を支配してきたヨーロッパ社会で連綿と引き継がれている社交界。そこにデビューするためのイベントが「デビュタント」です。
富裕層の女性が憧れるこのイベントは、古くは君主へ令嬢を紹介する厳粛な式典が始まり。そこで有望な結婚相手を見つける場ともなっていました。白いドレス・手袋・ヘアアクセサリーを身にまとうのが習わしです。
現在は才能あふれる若者が社交界にデビューする場として「ル・バル・デ・デビュタント」が開催されています。出身国は問わず参加でき、世界中から親の栄光に頼らず活躍する若者が集まり、交流を深める場として活用されているようです。
アメリカ
貴族がいないアメリカでは、富裕層がそれぞれでチャリティーイベントやパーティーなどを開催するのが主な社交の場と言えます。そんなアメリカでもデビュタントはあり、フィラデルフィアにある「アカデミー・オブ・ミュージック」で開催されているコンサートがそれにあたります。
日本
日本でも旧華族や名家、各国要人などが集まる社交界は存在します。デビュタントのような社交界デビューを祝うセレモニーは公にはなっていません。
いわゆるセレブリティと言われる著名人や富裕層が集うパーティーは社交界とは別と考えられています。一般的な富裕層が参加するものはこちらにあたるでしょう。
華族制度が廃止された日本では、いわゆる旧家・名家同士の繋がりは公にはなりにくい状況です。伝手をたどって知り合う機会を得るか、自分自身が富裕層と言われるレベルまで環境を上げるかしなくては、「日本の社交界」に関わるのは難しいのが実情です。
社交界とは
デビュタントやチャリティーイベントなどを通じて社交界デビューを果たすのは、旧家・名家出身でなくとも叶えられる夢です。お金を払えばいくらでも参加できるパーティーはあります。
しかし、本物の富裕層がいる社交界とは、お金だけで参加できるところではありません。資産だけでなく本人の資質・才能、良い人柄など多方面で「豊かな資産」を持っていることが条件となります。そんな人達が多く集まる場だからこそ、社交界は世界中から憧れを集める場となっているのでしょう。