富裕層の家族や家について
富裕層の家族や家に関する考え方について見ていきましょう。どうして富裕層は教育や家にお金をかけるのでしょうか。その背景には富裕層特有の考え方があるのです。
教育熱心
富裕層は子どもの教育に熱心です。これには2つの意味があります。
ひとつは、子どもの人的資本を大きくすることで、一族が繁栄する確率を上げるためです。人は知識やスキル、経験、資格、人脈、ブランド、信用といった人的資本を持っていて、この人的資本が収入を生み出します。
子どもを熱心に教育して、人的資本を大きくしてあげれば、一族がますます繫栄する確率を高くすることができるわけです。
もうひとつは、実質的な資産の移転につながります。日本の税制では、富裕層に対する相続税の負担は重く、相続財産が6億円を超えれば税率は最高55%に及びます。そのため、生前から計画的な資産移転が重要なのです。
資産の移転には生前贈与といった制度を活用できますが、資産が多いほど、資産の非課税枠を超える額も大きくなり、課税対象となってしまいます。
しかし、資産を子どもの教育に使えば課税されることはありません。このため、子どもの教育にお金をかけることは、実質的に親子間の非課税での資産移転になるわけです。
孫の代まで考えて資産を管理
富裕層は基本的に子どもだけではなく孫の代まで考えて資産を管理しています。中には100年先を見据えている人もいるほど。
ただし、富裕層と一括りにいっても、資産3億円の人と資産100億円の人では考え方は異なります。
資産規模が大きく、相続税が最高税率で課税されるような富裕層だと、節税のために一代飛ばしという方法が取られたりします。相続時の課税を1回飛ばすことで、節税効果を狙ったものです。
具体的には資産家の祖父が、自分の孫を養子にして、子どもだけではなく孫にも資産を相続させるケースです。
複数の家を所有する
富裕層は複数の家を所有しているケースが多く見られます。これは軽井沢や伊豆といった別荘地を持つということではありません。
普段過ごしている地域に、家族と過ごす家とは別に自分専用の家を持っている人が結構いるのです。例えば都内に家族と一緒に過ごす一戸建てを所有しながら、都心部に自分専用のマンションを持つといった感じです。
複数の家を所有する理由は、経営者だと法人登記簿謄本に住所が載ってしまうため、プライバシーを守るために別邸を登録している人もいます。
他にも、資産管理会社を保有している富裕層も多く、会社の事務所や社宅として構えるケースもあります。家族と暮らす本邸が職場から遠い場合、職場の近くに別邸を構えるといったケースもあるでしょう。