富裕層の金銭感覚 その1

今回は富裕層の金銭感覚について解説していきますが、資産額や収入、属性が異なれば生活スタイルは大きく異なってきます。
「富裕層はこういう生活をしている!」とは一概に言えません。あくまで最大公約数的な内容として捉えていただければと思います。
費用対効果を重視する
「金持ちほどケチ」といわれることがあります。それはお金を出し渋っているのではなく、何事もROI(Return on investment:費用対効果)を重視しているためです。
富裕層はいくら資産があっても、費用対効果に見合わないものには一銭も出しません。
例としてあがるのが、飛行機のファーストクラスとビジネスクラスの選択です。出張や旅行で海外へ行く場合、富裕層は費用対効果の観点からビジネスクラスを選ぶケースが多く見られます。
どうしてかというと「価格差から効果を回収できるか」という視点を持っているからです。
ファーストクラスとビジネスクラスだと、質の高さはもちろんファーストクラスですが、質の差を見ると大きな価格差はありません。
仮にファーストクラスの価格がビジネスクラスの2倍になったからといって、到着時間が2倍速くなることはないからです。
だからこそ、費用対効果に見合うものには高額であっても気持ちよく払います。「金持ちほどケチ」といわれやすいのは富裕層からみると一線を出す価値もない商品やサービスと判断されたと思っていいでしょう。
売却価格を意識する
富裕層が費用対効果と同じくらい意識しているのが、将来、売却するときの価格です。特に車や時計、美術品のような高額商品を購入するとき中古市場でどのくらい売れるのかを見ています。
売却価格を考えると高額な商品を選んだほうが、結果としてお買い得になる可能性があります。たとえば、富裕層がポルシェやフェラーリを、売却価格の観点から購入する人は少なくありません。
例えば、3000万円のポルシェと600万円の車を購入し、両方とも3年後に売却するとした場合で考えてみましょう。ポルシェは価格が下がりにくく、3年後でも2700万円で売れますが、600万円の車は型落ちによって値下がりし、200万円で下取りされたとします。
この場合、3年間にかかったコストはポルシェが300万円、600万円の車が400万円となり、結果としてポルシェのほうが安く乗れたことになります。
高級車の場合、ランニングコストがかかりますので、単純に比較できません。しかし、富裕層は高級商品を購入時、手放す時のことも考えているのです。