シンガポールの富裕層ビジネス
シンガポールでは富裕層を対象としたビジネスを得意としており、その手法は日本のものとは異なります。
無料+特別招待で富裕層を呼び込む
「無料」という言葉に人はとても惹かれます。これは富裕層も例外ではありません。意外に思われるかもしれませんが、お金にシビアなお金持ちこそ、無料にこだわるのです。
元々色々なことにお金を使っているので、「優待され慣れている」点が挙げられますし、お金をチマチマ使いたくないというのも理由にあります。
富裕層ビジネスをする場合、思い切って入口は無料にしてしまうのも方法の一つです。
実は、シンガポールではお金持ちの「特別に優待されたい」という性質を利用した商習慣になっています。
日本だとアパレルのイベントに呼ばれるのは芸能人やメディア関係者などでしょう。一方、シンガポールでは富裕層や売上高の高い一般顧客などです。
シンガポールでは芸能関係者が少ないことも関係しますが、メディアを使って売るよりも、少数でもたくさんのお金を使ってもらうビジネスモデルだからです。
イベントでは食事やドリンクは無料提供し、新商品や限定商品のプレゼンテーションを行います。招待された富裕層は1着数万円する服を購入するためレジに並ぶのです。
大きな会社だけではなく、個人経営の中小企業でもパーティーを開き集客を行います。
参加者限定のサービスや特別価格のパッケージなど販売。こうしたお得感のために富裕層はお金を落としてくれるのです。
日本でもこうした集客はあります。たとえば百貨店の化粧品カウンターで行っているメイクアップやエステ体験の無料イベントです。
サービス自体は無料ですが、お客さまは喜んで化粧品を買ってくれます。
では、どうしてイベントをして無料で振舞うと取引が成立しやすいのかというと、返報性の法則が働くからです。
人は何か施されると、何かお返ししないという感情が働きます。シンガポールでは小さな貸しによって大きな見返りを得る商法が広く利用されているのです。
希少性にお金を払うお金持ち
シンガポールでは、イベントのみの特別価格や期限内に購入すればプレゼントといったプロモーションを度々行います。
人間は希少性に弱いため、特別な理由があると財布が緩くなるのです。
高級ブランドの売り上げは日本を除くアジア地域で非常に伸びているのも要因でしょう。
特別な存在として見られるために希少価値のあるブランド品を何としても手に入れたいと思う人がいるのです。
日本で見たような商法を、シンガポールでは富裕層に対して行います。